金属アレルギーの方がインプラントを受ける場合の注意点

はじめに

虫歯治療などで補綴物を使うことがありますが、これは被せものだけでなく入れ歯やブリッジ、インプラントなども含まれます。ただ、人によってはこれらの治療の際に金属を使うと金属アレルギーを起こすことがあり、歯の補綴物以外にネックレス、ピアス、ブレスレットなどでも起こります。

では金属アレルギーの方はインプラント治療ができないのでしょうか?

ここでは金属アレルギーの方がインプラント治療を受ける際の注意点についてご紹介しましょう。

金属アレルギーの症状とは

金属を使った補綴物で治療した時などに起きる金属アレルギーの症状にはどういったものがあるのでしょうか。

扁平苔癬

扁平苔癬とは聞き慣れない症状ですが、お口の中の粘膜にかゆみや接触痛が起きることです。一見するとレース状の白斑が見えます。

扁平苔癬が起こる原因は明確に歯不明ですが、ストレスや金属アレルギーが考えられると言われています。

さらに、この扁平苔癬は将来ガンの可能性である前がん状態と言われており、ガンになるリスクは2~3割程度ですが、早期治療が望ましいです。

発疹

金属アレルギーになると、お口の中だけでなく手や足にも発疹ができます。かゆみを伴うため、症状を抑える抗ヒスタミン薬や副腎皮質ステロイド薬などを使用します。

他にも口内炎、舌炎、アトピー性皮膚炎、脱毛症・・などの全身症状が起きることもあります。

 金属アレルギーを起こす金属とは

では金属アレルギーの原因になる金属にはどういったものがあるのでしょうか?

歯科治療で金属を使うと、長時間お口の中に金属が溶け出してしまい、それが体内に蓄積されるためアレルギー反応が起きると言われています。

金属アレルギーの原因には金銀パラジウム合金、ニッケルクロム合金、銀合金、アマルガム・・などが挙げられます。

金銀パラジウム合金

金銀パラジウム合金は保険内治療で最も使われている金属で、銀歯の被せものや詰めものはこれが使われていることがほとんどです。

ニッケルクロム合金

ニッケルクロム合金は金銀パラジウム合金よりアレルギーの可能性が高いため最近では使用が制限されていますが、中国製のものだと使われていることもあります。

銀合金

神経を除去した歯の土台に主に使われています。さびやすい性質があり、溶け出してしまうと歯ぐきが黒ずむことがあります。

銀以外の金属によってアレルギー症状が出やすいのが特徴です。

アマルガム

アマルガムとは主成分が水銀でアレルギー反応が起きやすいです。ただ、プラスチックが使われるようになる以前によく使われていたと言われています。

インプラント治療で使われる金属とは

インプラント治療にはさまざまな金属が使われますが、インプラント体にはチタンが使用され、この素材には金属アレルギーが起きないという説もありましたが、稀にアレルギー反応を起こす方もいらっしゃいます。

特に他の金属にアレルギー反応が起きる方はチタンでも起きる可能性は0ではないため前もって血液検査やパッチテストを受けた方がいいでしょう。

チタンの安全性

インプラント治療は歯の歯根部になるフィクスチャーと人工歯をつなぐアバットメントなどに金属が使われます。

ですが、インプラント治療に使われるインプラント体は医療用純チタンでできているため、空気に触れた時に金属イオンが溶け出さないメリットがあります。

金属アレルギーだからと言って、全ての金属にアレルギー反応が起きるということではありません。アレルギー反応を起こしやすいものと、そうでないものとがあります。

たとえば、上でご紹介したようなクロムや銀、ニッケルなどの素材は金属アレルギーが起きやすいと言われています。

いっぽうで、金属アレルギーを起こしづらいものにチタンがあります。インプラント体に使われるチタンは金属アレルギーを起こしづらいメリットがあります。

チタンについては安全性の高さがさまざまな医療分野で証明されており、骨折の治療の際に使う固定ボルトや、ペースメーカーなどにもチタンが使われています。また、ファッション分野ではアクセサリーや腕時計などにもチタンが使われています。ただ、絶対に金属アレルギーを起こさないかと言われると、可能性がゼロとは言いきれません。

可能性が低いとは言っても、チタンアレルギーを起こす方も稀にいらっしゃいます。ある調査によれば、1パーセント程度の方がチタンアレルギーを起こすことが分かっていますので、チタンを使えば絶対に金属アレルギーを起こさないとは言いきれないのです。

ただしチタンはペースメーカーや人工関節などにも使用されていて安全性が高く、金属アレルギーを引き起こすトスクが低いのでインプラント治療を行うことが可能です。

ご自分がチタンで金属アレルギーを起こすかどうか不安な方は前もって皮膚科などで調べてもらうといいでしょう。パッチテストなどを受けて異常がなければインプラント治療に安心して臨めるはずです。

パッチテストの方法としては試薬のついたテープを貼って一定の時間が経ったらはがし、皮膚の状態を見てどういった金属にアレルギー反応が起きるかを検査するものです。

この検査を行って皮膚になんら変化がなければ金属アレルギーではないと言えます。

金属アレルギーの方がインプラント治療を受ける際の注意点

もし、インプラント治療を行って金属アレルギーの症状が出た場合、インプラントを取り除くことがあることを知っておきましょう。原因を除去しないと症状は改善されないので、インプラント治療をあきらめるしかありません。

こういった場合、インプラントの代わりにブリッジや入れ歯で治療することになります。もっとも大切なことは症状が出ているのに我慢しない・・ということでしょう。

金属アレルギーの症状をインプラント治療に伴う違和感程度と考えるのは危険です。

もし、インプラント治療後に違和感があったら、すぐにかかりつけのクリニックで診てもらうようにしましょう。

まとめ

インプラント治療は日々進化をし続けており、現在では安全性の高い治療となりました。

インプラント治療で審美性の高い治療を受けたいけれど、金属アレルギーかも・・と躊躇している方は皮膚科などで金属アレルギーかどうかを調べてもらうといいでしょう。

金属アレルギーかどうかしっかりと調べた上で安心してインプラント治療を受けましょう!