歯列の整った美しい歯並びは素敵な笑顔を作り出し、相手に好印象を与えます。
しかし歯並びが悪いとせっかくの笑顔にも自信が持てず、気持ちも消極的になってしまいがちになりませんか?
また歯並びの悪さは見た目だけでなく、虫歯や歯周病など、歯にとってよくない影響も出てきます。
このようなことを防ぐためには矯正治療が一般的ですが、いったいどのくらいの費用がかかるのか気になりますよね。
今回は、矯正治療にかかる費用面を中心にお話します。
目次
歯列矯正を行うことのメリット
矯正治療を行うことで得るメリットは、美しい歯並びはもちろん、虫歯や歯周病を防ぐこともあげられます。
歯並びが悪いと、ブラッシングが行いにくく、汚れが残りがちになります。
落とし切れない汚れがプラークとなって虫歯菌や歯周病菌が住み着きやすい環境が作られてしまうため、虫歯や歯周病になるリスクが高まってしまうのです。
特に歯が傾いて生えていると、歯と歯が重なってしまう部分にプラークや歯石が溜まりやすいため、矯正治療で歯並びを整え、正しいブラッシングを行うことでリスクを低くすることができます。
矯正治療の種類と費用について
矯正治療には、顎を広げて永久歯の生えるスペースを確保する、主に子どものための矯正や、永久歯を動かして歯列を整える方法、気になる部分だけを矯正する方法など様々な種類があります。
費用の平均は以下のとおりです。
1.床矯正
主に子どもに対して行われる矯正治療で、子どもの顎の成長を促すことを目的とした矯正治療を「床矯正(しょうきょうせい)」と呼び、乳歯から永久歯に生え変わるころに行います。
顎が小さく、乳歯の時点で歯並びが良くない場合、かなり高い確率で永久歯の歯並びも悪くなります。
永久歯は乳歯に比べて歯が大きいため、どうしても生えてくるためのスペースが足りないことが多くなってしまいます。
この床矯正は取り外し式の装置を装着して週に1度、ネジを回して装置を拡大し、顎の骨を少しずつ広げていきます。
このように顎の骨の成長を促し、永久歯が生えるスペースを確保することで歯並びを整えることを目的としています。
お子さまの歯並びが気になる場合、まず歯科医院へ相談することから始まります。
カウンセリングはほとんどの歯科医院で無料にて行われます。床矯正を行うことに決定したら、お口の中の診察、口の中や顔の写真撮影、レントゲン撮影などを行います。
この精密検査に必要な費用はおよそ3万円ほどです。
その後型取りを行い、装置を制作します。
この装置制作の費用の平均は片顎につき約6万円、上下作製で12万円が一般的です。
その他定期的な調整料、破損したときの修理代などが別途必要となり、トータルでおよそ30~40万くらいが平均価格と言えるでしょう。
また床矯正終了後、もう少し治療が必要な場合Ⅱ期治療と言う矯正を行うことがあります。
これは生え変わった永久歯にブラケットとワイヤーを装着して歯の矯正を行う、一般的な矯正治療です。
ブラケットが金属かセラミックかで費用が異なりますが、片顎約6~7万、上下で12~14万くらいが相場です。
2.ブラケット+ワイヤーによる矯正治療
永久歯が全て生え揃ったあとの矯正治療は、歯にブラケットと呼ばれるボタンのような装置とワイヤーを装着し、歯を少しずつ動かす方法になります。
場合により、抜歯を行う必要が出てきます。
初診、相談料、精密検査、矯正装置代を含んだ総額はおよそ80~100万くらいが平均値と言われています。
なお、ブラケットやワイヤーは一般的に金属のものですが、目立たないセラミックなどを選択すると費用はその分上乗せになります。
また通常ブラケットは歯の表側に装着しますが、歯の裏側に装着するタイプのリンガルブラケット矯正を選択した場合は技術料が高くなり、通常料金の1.2~1.5倍となる場合がほとんどです。
また矯正治療終了後、後戻り防止のための保定装置や定期検診、メンテナンスは別途費用が必要となります。
また抜歯を行う場合も別に費用が必要となります。
なお、矯正にかかる期間はリンガルブラケットよりも、歯の表側に装置をつけるほうが歯が早く動き、矯正期間も短くて済みます。
3.部分矯正
前歯だけを治したいなど、部分的な矯正治療は全体的な歯並びを整えるよりも費用面、治療期間ともにぐっと抑えることができます。
ただ、治療できる症例が限られている場合があるため、歯科医院で部分矯正による治療で噛み合わせ等問題が出ないかどうかしっかりと相談することが大切です。
全体的な矯正と同じように、歯の表面にブラケットとワイヤーを装着して歯並びを整えていきます。金属のメタルブラケットの場合、30~50万が平均値です。
目立たないセラミックブラケットはプラス5万から20万くらいと考えると良いでしょう。
歯の裏側に装置を着けるリンガルボタンによる部分矯正はおよそ40~60万くらいですが、歯並びによりリンガルブラケット矯正ができない場合もあります。
4.マウスピース矯正
歯列矯正というと、歯に銀色の矯正装置をつけて行う方法が最も一般的ですが、ひと目で矯正を行っていることがわかります。
仕事柄、矯正装置が見えない方がよい方や激しいスポーツをする方などは、マウスピースによる矯正治療がおすすめです。
また以前矯正治療を行っていたが、少し後戻りが見られる方などにもマウスピース矯正は有効な治療法と言えます。
このマウスピース矯正は、一般的な矯正よりも費用を抑えることが出来ることもメリットです。
上下どちらかのマウスピース矯正は30~40万ほど、上下どちらもマウスピース治療を行う場合は60~80万程度が相場です。
マウスピース矯正は、奥歯の噛み合わせをみながらマウスピースを作り替えていくため、手間がかかります。
しかし抜歯の必要がある方、マウスピース矯正では効果が期待できない歯並びの方にはこの矯正方法は向きません。
抜歯を行い、ブラケットとワイヤーによる矯正を行ってからマウスピース矯正に切り替えることもできなくはありませんが、費用がかなり高くなることも当然考えられます。
どの方法が適しているのか、費用面も含めて担当医としっかり相談することが必要です。
まとめ
矯正治療にも様々な種類があり、ほとんどの場合自費治療となります。
また症例により治療期間が長くなり、その分費用も変わってきます。記載した費用はあくまで平均値であり、個人差や歯科医院の方針で大幅に変わることがあります。
矯正治療を考えている方は担当医としっかりと話し合い、費用面も含めて納得のいく治療を行うことが大切です。