歯並びをきれいにしたい、と思う人は年々増えてきています。
日本ではかわいいといわれていた八重歯も、海外ではドラキュラの歯、と言われたり、グローバル化している現代においては、歯並びは育ちの良さを示すものとして、当たり前の身だしなみになってきているのかもしれません。
また、ホワイトニングと並んで、歯を矯正することは機能性のみならず、美容面でも注目されています。
歯並びを整えることで、顔のバランスや噛み合わせが変化して、印象が大きく変わってくることも多いです。
整形したの?と言われるほど、矯正の効果があることもしばしばで、歯並びがよくなったことで精神的に明るくなったり、コミュニケーションがとりやすくなったり、することも関係しているのかもしれませんね。
今回はそんな矯正治療の方法や、メリット デメリットなどをみていきたいと思います。
目次
矯正治療とは
歯は顎の骨にしっかり支えられて、力を加えても揺れたり動いたりしません。食事の際にしっかり噛んだり、固いものを食べられるのは、歯が骨に支えられているからです。
矯正治療とは、少しずつ歯に力を加えて、歯並びを治していく治療法で、歯に力を加えることで、歯を支えている骨が少しずつ吸収され動いていきます。その反対側の吸収されずに動いて隙間ができた部分には、新しい骨がつくられています。
力の加え方は、費用やそれぞれの希望、症状などで選択肢が異なってきますが、主な装置はブラケットとワイヤーを使用するのが一般的です。
仕事の関係などで矯正しているのを周りに知られたくない人は、透明なマウスピースや裏側にブラケットをつける方法もあります。
矯正治療にかかる期間
矯正は骨の吸収と再生を繰り返しながら、少しずつ歯を移動させていく治療なので、個人差はありますが、大体2~3年かかる場合が多いです。
歯を動かすスピードも人によりますが、あまりに大きな力で早く歯を動かそうとすると、骨の代謝が追い付かず、歯をしっかりと支えられなかったり、歯がきれいに並ばなかったりすることがあります。
歯科医師は歯の動き具合や骨の様子をみながら、矯正装置を調節していきます。
矯正治療は長期間にわたる治療なので、歯科医師や歯医者さんの雰囲気なども大切なポイントになってきます。
矯正治療をするメリット
矯正治療は見た目を気にして始める方が多いかもしれませんが、歯並びや噛み合わせを治療する、という大切な役割があります。
噛み合わせが合わないままだと、全身や顔の歪みの原因となり、頭痛や肩こりになりやすくなったり、虫歯の原因にもなります。
また、年を重ねると、歯周病の原因になったり、胃腸に負担がかかったり、若い頃は免疫力や体力があって、症状がでなかったことに悩まされることもあります。
メリットとして主なもの
・見た目の改善
歯並びを整えると、歯だけではなく口が閉じた状態になります。筋肉も正しく使われるようになり、だらしない感じではなく引き締まってきます。
口元がきれいになると、口元を隠しがちだった笑顔にも自信がでてきて、気持ちも明るくなる効果もあります。
・噛み合わせの改善
噛み合わせが悪いと、咀嚼ができずに胃腸に負担がかかります。
とくに、高齢になって消化機能が落ち始めると、胃腸への負担を気にして食事が楽しめなくなることもあります。
また、噛み合わせがずれていると、顎に負担がかかり、顎の筋肉が疲れることで頭痛や肩こりの原因になることもあります。
・虫歯や歯周病を予防できる
歯並びが悪いと自分では歯磨きをしっかりしたつもりでも、磨き残しが多くなりがちです。
また、食べ物がつまる可能性も高まります。
磨き残しがあることで歯垢や歯石が溜まり、虫歯や歯周病が進行します。
歯並びが整っていると、磨き残しが少なくなり、結果的に虫歯予防や歯周病予防につながります。
矯正治療をするデメリット
メリットもあればデメリットも矯正治療にはあります。
どんなデメリットがあるのでしょうか。
痛みや不快感
矯正治療は歯を支えている骨を動かすことなので、骨が吸収されて動くときに痛みがでます。
個人差がありますが、装置を装着したり、交換した際には、痛みを感じやすくなるといわれています。
矯正そのものの痛みとは別に、装置が頬や舌にあたって痛くなる場合もあります。
装置が頬や舌にあたって、そこから炎症を起こし、口内炎になりやすくなります。
それまでの噛み合わせが変わり、食事中に頬や舌噛むこともあります。
矯正装置をつけなければいけない
矯正装置といえば、金属のギラギラしたものをつけているイメージですが、その見た目のインパクトに矯正治療を躊躇う人もいるのではないでしょうか。
今は治療の技術が進み、目立たない矯正治療を選ぶことができるので、歯科医師に相談したり、目立たない矯正治療の症例が多くある歯医者さんを選ぶこともできます。
矯正装置をつけることで違和感を感じることや、食事が制限されることなどもデメリットに挙げられます。
固いものを食べると痛みがでたり、お餅やガムなどのワイヤーにくっつくものなどは矯正治療は食べることを控えたほうがよいでしょう。
・歯磨きが大変
矯正治療中はワイヤーをしているので、歯磨きなどのお手入れが大変です。
磨き残しが多くなりやすくなり、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。
矯正治療中に使ったほうがよい歯ブラシや清掃用具があるので、歯医者さんで聞いてみましょう。
虫歯になりやすいので、歯医者さんでの歯磨き指導や定期的な検診もかかさずに受けるようにしましょう。
・治療期間が長い
虫歯や歯周病の治療は数回通院して終わりになることがほとんどですが、矯正治療が完了するまでには数年かかります。
終わったあとも保定のために通院することが多くあります。
治療を途中でやめずにきちんと通い続けることが大切になってくるので、通うのに苦にならないような、交通や歯医者さんの雰囲気を、カウンセリング時に確認するとよいでしょう。
・費用が高い
矯正治療は、ほとんどは保険が適用されない治療なので、費用が自費となり高額になりがちです。
費用の支払い方も歯医者さんによって様々ですので、心配や疑問点はカウンセリングにしっかり聞くようにしましょう。
また、デンタルローンやカードが使用できる歯医者さんもあるので、まとまった料金がすぐに用意できない人は、それらを利用する方法もあります。
まとめ
歯並びを整えたいと思ったときに、まず思い浮かぶ矯正治療。
気になる見た目や噛み合わせの問題、お子さんの歯並びが気になる、など、様々な理由で矯正治療に興味がある人は多いと思います。
個々によって症状が異なるので、まずは気になる歯医者さんで相談やカウンセリングを受けて、治療方法や期間、費用など気になっていることを直接相談するのがよいでしょう。
矯正治療方法やメリット・デメリットを知って、治療に臨みましょう。