入れ歯を作ったまでは良かったけれど、すぐに汚れるし、入れ歯をしていると虫歯ができやすいような気がする。
もしもこのような事柄に心当たりがある方は、まず、普段ご自身が行っている入れ歯の管理方法を、今一度確認してみる必要があります。
ご自身のサイズに合った入れ歯は、大切に扱えば何年も綺麗な状態で使い続けることができますし、入れ歯によって虫歯ができることもありません。
それでは、入れ歯を長持ちさせるための、正しい管理方法についてご紹介して行くことにしましょう。
目次
医療機関で定期的なメンテナンスを行ってもらう
入れ歯を長持ちさせるための最も確実な方法は、入れ歯を作ってもらった歯科医院で、定期的なメンテナンスを行ってもらうという方法です。
歯科医院では、超音波スケーラーという特殊な洗浄器を使用して、医師または歯科衛生士さんが丁寧にクリーニングを行ってくれます。
入れ歯には、目に見えない雑菌が数多く付着していることが考えられ、このような細かい雑菌は、ブラシだけでは簡単に落とせるものではありません。
また、入れ歯を使い続けているうちに、入れ歯自体に歯石が溜まることもあります。
このような歯石もまた、ブラシによる洗浄だけでは簡単に落ちるものではなく、やはり超音波の力を借りて洗浄してしまうというのがいちばんの方法です。
そして、定期的に歯科医院に通うことには、もうひとつのメリットがあります。
それは、歯科医院では入れ歯だけではなく、あなたご自身のメンテナンスも受けることができるということです。
つまり、入れ歯とあなたのお口の中を同時に確認することにより、入れ歯が合わなくなっていないかどうか?虫歯ができていないかどうか?という点についてもメンテナンスを受けることができるということですね。
ご自身のお手入れだけでは、どうも入れ歯の汚れが綺麗に落ちていない気がする…。
このようにお考えなのであれば、月1回を目安として、定期的に歯科医院で入れ歯のメンテナンスを行ってもらいましょう。
セルフケアの方法
入れ歯は、それを作った歯科医院で定期的なメンテナンスを受けることが最も長持ちさせることができる方法ですが、それだけではなく、ご自身による日々のお手入れも欠かしてはなりません。
それでは、ご自身で行うことができる、日々のお手入れの方法をご紹介します。
入れ歯のお手入れ方法
- 水道水を流しながら、入れ歯に付着している汚れを、ブラシで大まかにこすり落とします。
- 入れ歯洗浄剤を溶かしたぬるま湯に入れ歯を浸けてしばらく放置しますが、汚れがひどいときには、一晩浸けておくと良いでしょう。
- ブラシを使用して、水道水で入れ歯洗浄剤を綺麗に洗い流します。
たったこれだけのことですが、日々これを行うのと行わないのとでは、入れ歯の汚れに格段の差が現れ、きちんと毎日お手入れを行っておけば、長持ちすることは間違いありません。
また、入れ歯はとてもデリケートですので、万が一落とすと割れてしまう可能性があります。
ご自身で入れ歯のお手入れを行う際には、洗面器を受け皿にしておくと、破損の危険性から入れ歯を守ることができます。
そして、入れ歯は使用していない間の保管方法にも注意を払う必要があります。
実は、入れ歯の素材は非常に乾燥に弱く、そのまま放置しておくと、変形や変色などの原因になったり、ひびが入ったりすることがあります。
入れ歯は、使わないときにはそのまま放置するのではなく、水を張った容器に入れて保管するよう、注意しましょう。
お口の中のお手入れもお忘れなく!
入れ歯を綺麗に洗浄すると、それだけで安心してしまうことがあるかもしれません。
ですが、せっかく入れ歯を綺麗に洗浄しても、お口の中に雑菌がウヨウヨ存在していては、綺麗な入れ歯もすぐに汚れてしまいます。
そうならないためには、入れ歯の戦場と同時に、残った歯をはじめ、歯ぐきや舌などもきちんとお手入れしておかなくてはなりません。
自分はもう、あまり歯がないから、歯磨きは不要。
このように考えて油断していると、お口の中はあっという間に雑菌の温床になり、残った歯が虫歯になったり、歯ぐきが歯肉炎や歯槽膿漏になったりして、とうとう歯が全部抜けてしまった…ということにもなりかねません。
入れ歯を綺麗に洗浄したのであれば、お口の中も、ブラシで綺麗にお手入れしておきましょう。
その際には、力は全く必要ありませんので、歯を1本ずつ丁寧に磨き、歯ぐきは優しくマッサージするように磨くと良いでしよう。
このようなときにはすぐに歯科医院へ!
歯科医院で定期的に入れ歯のメンテナンスを受けていると、それ以外の日にはなんとなく面倒で、歯科医院に足を運ぶ気になれないことがあるかもしれません。
ですが、いつもの入れ歯がなんとなく合わなくなってきたと感じたのであれば、とりあえず歯科医院で診察を受けておくことがベストです。
合わない入れ歯をそのまま使い続けていると、できた隙間に雑菌が入り込む確率が高くなるだけではなく、入れ歯の素材で口の中を怪我してしまうことも考えられます。
- 入れ歯の歯ぐき部分が当たって痛みを感じる
- 取り外しにくい、あるいは装着しにくい
- 会話の途中、または食事中に入れ歯が外れることがある
- なんとなく安定感がない
- 入れ歯が変形してきたような気がする
このよう状態になったら、それは入れ歯が合わなくなっている可能性が大。
お口の中を傷つけてしまう前に、歯科医院で診察を受けて、必要に応じて入れ歯を新調しましょう。
まとめ
知っているようで案外知らないのが、入れ歯を長持ちさせるお手入れの方法です。
入れ歯を長持ちさせるためには、ご自身による日々のお手入れはもちろん大切です。
ですが、入れ歯には目に見えない雑菌や歯石が付着していることもあり、これらを完全に落として綺麗な状態にするためには、入れ歯を作ってもらった歯科医院で、定期的なメンテナンスを受けるというのが、いちばんの方法です。
入れ歯は、ご自身による日々のお手入れととともに、月1回程度歯科医院でメンテナンスを受けておくことによって、さらに長く清潔な状態で使い続けることができますよ。